田舎に対する誤解
田舎への誤解が招く危険性
田舎でのスローライフを夢見て移住をされる方が増えつつある
現在の日本ですが、田舎に対する認識不足、または誤解を持った
ままの移住はその後の生活に多大な影響を与える恐れがあります。
「自分が描く田舎暮らしのイメージはこんなものではなかった」
「あらかじめ練っていた資金計画と実際の生活が全く合わない」
そういった失敗・後悔をしないためにも田舎に対して正しい
認識を持ち、誤解をなくすことが非常に重要です。
ここでは田舎に対して多くの人が持つ誤解や、田舎で生活を
する上で重要なこと・注意事項をいくつかご紹介していきます。
農業に対する認識不足
田舎へ移住後は農業を営みたいと考えている方も少なくないでしょう。
しかし、実際に作物を育て、収穫したことがない人や農業に
触れたことがない方は大きな勘違いをしている場合が多いです。
「農地さえあれば簡単に収穫できる」という甘い考えでは
農業を続けていくことは困難かもしれません。
ましてや、「農業で自給自足していけばお金がなくても生活できる」
などという考えは論外です。
作物を育てるにも肥料や種、農耕具などのお金が当然必要で、
近年では輸入物の作物や大量生産による作物の低価格での販売など
から栽培するよりも購入したほうが安いという作物もざらにあります。
また、必要な作物が都合よく栽培・収穫できるとも限りません。
そういったことから、田舎で暮らしていく上で農業は、
趣味と同様にお金がかかるものという認識を持ち、決して農業を
行うことは節約につながるなどという甘い考えは持たないようにしてください。
節約・不便・親切等の勝手なイメージ
「田舎暮らしは節約になる」、「田舎で暮らすのは不便さが生じる」、
「田舎の人々は親切である」といった都会人特有の勝手なイメージが
田舎暮らしを始めた後、後悔する原因となる場合があります。
田舎暮らしは節約にはなりませんし、田舎暮らしが不便かどうかは
そこで暮らす人が感じる印象であって何を基準にして便利・不便と
判断するのかがあいまいです。
そして、田舎の人々は親切か否か。
これも田舎だからというものでなく都会と同様、親切な人もいれば
不親切な人もいますし、相手によって態度を変える人もいるでしょう。
このような田舎に対するイメージは田舎への認識不足が招く
都会人の勝手なイメージであることがほとんどです。
田舎への理想を持つことはいいことですが、それが自身にとって
都合の良いイメージとならないように注意することが必要です。
田舎の商売の甘い考え
田舎へ移住して生活をするにあたり、農業を商売にしたり
ペンションを建設して運営していこうと考えている方もいるでしょう。
移住後に自営業を始めようという考えは素晴らしいことですが、
甘い考えで商売を始めることは田舎暮らしを後悔することになる
だけでなく、移住後の生活にも危険を及ぼします。
農業を商売にする場合、広大な土地が必要になり、
農作物の収穫が思うようにいかないと完全な赤字になります。
また、沢水を事業として利用する場合は水利権などの
田舎特有の慣習も絡んでくるため近隣住民の了解が必要です。
ペンション経営に関しても近くにスキー場があるといった
人が集まるだけの魅力がある土地・地域であるかどうかが重要で、
ペンションの存在を知ってもらうために広告を出す必要もあります。
このように田舎での商売は決して甘いものではありません。
田舎へ移住し、商売を始めようとお考えの方は最低でも
土地・自宅の購入費、および事業の初期費用は自己資金で
準備したほうが賢明です。