スローフードとは

スローライフというライフスタイルの概念の
元となったのが「スローフード」です。

スローフードとは、バラエティ豊かな地域の食を考え、
これを愉しみながら、人が豊かに生きていくうえで欠かすことの
できない「食の喜び」を取り戻そうというものです。

スローフードは1986年、イタリアのブラという街から始まりました。

当時、マクドナルドのイタリア第1号店がローマに開店し、
「ファストフード(Fast Food)にイタリアの食が食いつぶされる」
という危機感から、自分たちの食を見直し、守りたいという動機に
つながり、スローフードという考え方が生まれました。

1989年にブラに協会が設立され、現在、スローフード運動は
世界中に広まり、7万人以上の会員を持つまでになっています。

スローフード協会の具体的な活動指針には以下の3つがあります。

1.消えてゆく恐れのある伝統的な食材や料理、質のよい食品、ワイン(酒)を守る。
2.質のよい素材を提供する小生産者を守る。
3.子供たちを含め、消費者に味の教育を進める。

スローフードという名称はファストフードの対義語として
つけられたものですが、決してファストフード・ジャンクフードを
排除しようというものではありません。

スローフード運動はあくまで、消えゆく恐れのある食文化や
食品・小生産者を守り、「食の喜び」を見出すことを目的とする
運動であり、「~をしてはいけない」といったような人々を縛る
思想の運動ではないのです。

ファストフード・ジャンクフードも現在の社会の特徴である
「大量生産・大量消費」にもとづいた一つの食文化であり、
考え方によってはファストフードやジャンクフードも食べる人
次第で「食の喜び」につながる守るべき食文化となり得るのです。

このスローフード運動は、現在、日本にも浸透してきており、
スローフード運動の概念を「食」だけにとどめず、衣食住の
全てに対して拡大解釈したものが現在のスローライフの思想
・概念へと発展していきました。