田舎物件の種類
多様な田舎物件
田舎物件を探すにあたって、「山の麓にログハウスを建てたい」
「古民家に住みたい」「平地に老後も安心して住める家を建てたい」
といったように具体的なイメージを持って物件を探している方もいる
と思います。
それ自体に問題は無いのですが、それぞれの物件の特徴や
長所・短所をよく理解していないまま、物件選択の幅を狭める
ことは非常に危険な行為です。
ここでは田舎物件として主に市場に出回る5種類の
タイプの物件とそれぞれの長所・短所をご紹介していきます。
物件探し・選びの際にはぜひ参考にしてください。
古民家
黒光りした大黒柱や梁が特徴の味わいある建物が古民家です。
古民家は同様の建物を新たに建てることを思えば
格安とも思える値段で購入することができる立派な家が多いです。
部屋数も現在の一般的な住宅に比べると多く、
大家族で暮らすにはうってつけの物件といえるでしょう。
しかし、夫婦二人だけで住む場合などには
必要以上の広さに管理が行き届かず、掃除も大変です。
また、当然ながら建物が古いため隙間も多く、
夏は涼しい反面、冬の寒さは非常に厳しいものとなります。
痛みがひどい場合は補修・改修にも費用がかかるので
利便性や経済性に関しては他の物件に劣るのは確実です。
「せっかく田舎に住むのなら古民家が理想的」などという
甘い考えで住める家では無いということを十分理解しておいて下さい。
中古住宅
中古住宅は都会にも出回るような一般的な住宅です。
古民家に比べると価格は高くなりますが、現代建築で
建てられた一般的な住居ですので古民家のような特有の
不便さなどはなく、生活していく上で特別な苦労は感じないでしょう。
流通量も他の田舎物件に比べると多いので、
田舎物件の中では比較的ポピュラーな物件といえます。
ただし、築年数が経っている建物などは痛みがひどいことがあり、
建物の程度によっては購入後に補修・改修をする必要があります。
購入の際にはそれらの追加費用を考慮することもお忘れなく。
未造成地
山林や原野、田畑などの宅地以外の土地で
そのまま売り出された物件を未造成地といいます。
もともとは農家の方が所有していて、経済的理由などから
手放された土地の一部が売り出されていることが多く、田舎
物件の中では最も流通量が多い物件です。
価格は非常に安価で、過疎地などの土地が安い地域では
未造成地1坪が数千円で売り出されていることも珍しくありません。
未造成地を購入した場合は住居を新たに建設することに
なりますが、未造成地はもともとは農林業等を目的とした
土地ですので宅地として使用するようにはできていません。
したがって、家を建設する場合には土地を平らにするなどの
造成を施す必要があり、土地の状態や形状によってはかなりの
費用がかかることもよくあります。
未造成地を購入する場合は土地や家の建築費だけでなく、
土地の造成費も考慮して選ぶ必要があるので注意が必要です。
宅地分譲地
流通量としては田舎物件の中でも
かなり少ない方ですが、田舎にも宅地分譲地はあります。
田舎では住民の持ち家率が高く、宅地分譲地の需要は
ほとんど無いため、民間の不動産会社によって開発された
ものはほとんどありませんが、行政によって開発された宅地
分譲地はまれに流通することがあります。
田舎の宅地分譲地は都会のものに比べると
1物件あたりの土地が広く、広いところでは数百坪にも
及ぶ分譲地が売り出されていることもあります。
ただし、行政による宅地分譲地には建築条件として
購入後、数年以内の家屋の建設やその地域への定住といった
事項が定められている場合がありますので、移住予定の時期が
決まっていない方やセカンドハウスとしての利用を考えている方
には向かない物件といえるでしょう。
別荘分譲地
別荘分譲地とはその名の通り、別荘地帯にある分譲地です。
田舎での人付き合いが煩わしいという方にはお勧めの物件です。
別荘分譲地には大規模型と小規模型の2種類があり、
別荘地帯の総開発面積が1ヘクタール以上の場合を大規模型、
総開発面積が1ヘクタール以下を小規模型と分類します。
大規模型の別荘分譲地は、開発の際に都道府県知事の
許可が必要で、分譲地内の設備等に関して行政による指導が
入ります。
そのため、大規模型は上下水道の完備、道路の舗装など、
様々な点で小規模型の別荘分譲地よりも設備内容が優れています。
しかし、設備の整備等に費用がかかっている分、
大規模型のほうが高額であり、開発には広大な土地が必要な
ことから大規模型別荘分譲地は地域が限定されます。
その反面、小規模型の別荘分譲地は各地に点在しており、
設備内容は大規模型にはるかに劣るものの、坪単価は未造成地
に並ぶほど安価となっているところが多いのが特徴です。
また、小規模型別荘分譲地は農村の近くに開発される
傾向があるため、地域によっては田舎特有の人付き合いが
必要となってくるところもあります。
別荘分譲地を購入する際には2つのタイプの特徴をよく
理解し、ご自身に合ったタイプの分譲地を選ぶようにしましょう。